menu
menu

埼玉県産の食材を使ったお菓子を通じて、お客様と生産者の方の関係性を紡いでいく。『atelier 紡(アトリエ・つむぎ)』

大宮
埼玉県産の食材を使ったお菓子を通じて、お客様と生産者の方の関係性を紡いでいく。『atelier 紡(アトリエ・つむぎ)』

曜日や時間によって店主が変わるシェアキッチン「CLOCK KITCHEN(クロックキッチン)氷川参道店」で週2回、米粉を使用したお菓子を販売する『atelier 紡(アトリエ・つむぎ)』。

店主の山下さんは埼玉県の三郷市出身で現在は川口市在住。長年住んでいる埼玉に貢献したいという想いから、米粉や卵をはじめとして埼玉県産の食材を積極的に使用している。

米粉のもちっとした食感を活かしたり、旬のフルーツを使用したお菓子は老若男女問わず、多くの方から好評だ。

今回は店主の山下さんに、米粉を使用したお菓子を作る上での試行錯誤や店名に込めた”ある想い”についてお話を伺った。

生まれ育った埼玉に貢献したい

――本日はよろしくお願いします。「atelier 紡」とはどういったお店なのでしょうか?

山下さん : 米粉を使用して作った焼き菓子や生菓を販売するお店で、今年の2月から曜日や時間によって店主が変わるシェアキッチン「CLOCK KITCHEN(クロックキッチン)氷川参道店」のテイクアウト専用スペースをお借りして、週2日程営業しています。

――「CLOCK KITCHEN」でお店を始めた経緯をお伺いできますでしょうか?

山下さん:学生時代のアルバイトを含めると10年程、製菓業界で働いていたのですが結婚を機に退職をしました。

元々、いつか自分でお店を持ちたいという気持ちはありましたが、いきなり常設の店舗を持つのはリスクが大きいなと思い、昨年の9月頃から現在住んでいる川口や生まれ育った三郷など、埼玉県南部を中心にシェアキッチンを探し始めたんです。

「CLOCK KITCHEN」は作る場だけでなく売り場も用意されていたことと、多くの人が行き交う大宮という立地もあって見つけた時にすぐ応募しました。

――作る場だけでなく売り場が併設されている場所はとても貴重ですよね。米粉や卵を初めとして県内産の食材を多く使用されていますが、出身地や居住地が埼玉県内ということが関係しているのでしょうか?

山下さん:はい、まさに長年住んでいる埼玉に恩返しをしたいという気持ちから、「地産地消」を意識して埼玉県産の食材を積極的に使用しています。

私の中で埼玉は小麦よりお米のイメージが強かったことや、近年消費量が減少していること、小麦アレルギーの方にも気兼ねなくお菓子を楽しんでほしいという想いから「米粉」を使用したお菓子作りを始めました。

―― 米粉を使用したお菓子作りは昔からされていたのでしょうか?

山下さん:いえ、実は今まで米粉を使用したお菓子作りの経験は全くありませんでしたし、米粉を中心とすることを決めたのはお店を探し始めたタイミングで。

店舗探しを始めた昨年の9月からお店を開店した今年の2月までの約5ヶ月間は、お店の準備にお菓子の試作と、本当に慌ただしい日々でした。

―― お店のコンセプト決めと店舗探しを同時並行で行われたのですね。

山下さん:はい、私は一度考え始めると、なかなか行動を起こせず考え込んでしまうタイプなので(笑)。実際に動きながら色々なことを決めていこうと思いました。

米粉を使用したお菓子作りならではの試行錯誤

――自身の性格を把握していたからこそだったのですね。おすすめの「お米のマドレーヌ」を実際にいただきましたが、もちっとした食感ですごく美味しかったです。この食感は米粉を使用しているからこそなのでしょうか?

山下さん:そうですね。「お米のマドレーヌ」は今販売している中ですと、米粉ならではのもっちりした食感を一番味わえるお菓子です。

実は、お菓子の種類によって米粉を使用したとしても、米粉ならではの食感や味わいを活かせるものと、小麦粉のような食感や味わいになるものに別れるんですよ。

「狭山茶と甘夏のロールケーキ」は小麦粉のような食感や味わいになるお菓子の一つです。ぜひ召し上がってみてください。

──  いただきます。

たしかに、言われてみなければ米粉を使用したとはわからない、馴染みのある食感や味わいでとっても美味しいです。米粉を使用してお菓子を作るならではの苦労はありましたか?


山下さん:  米粉は小麦粉と比べて生地がパサつきやすいので、小麦粉を使用した時と遜色ないように仕上げるためにかなり試行錯誤しましたね。

お米のマドレーヌ
狭山茶と甘夏のロールケーキ

お客様と生産者の関係を紡ぐ

――そのような試行錯誤があったのですね…。 食材選びにおいては、埼玉県産の素材を使用すること以外に意識されていることはありますか?

山下さん:私自身、食の現場で長年働き知識を深めた経験から、食材による環境問題や体への影響を意識するようになりまして、お店では出来るだけ環境にも体にも優しいオーガニックや無農薬の食材を使用するようにしています。

埼玉県産の食材を使用すると決めてから、埼玉県内の生産者の方を調べ始めてみると、思っていた以上にオーガニック、無農薬の食材を作っている方がいらっしゃったんですよね。

私がそうだったように、一消費者という立場ですと生産者の方と直接繋がる機会はあまり多くはないと思うので、このお店を通してお客様と生産者の方の関係を紡いでいきたいです。店名にはそういった想いを込めて「紡」と名付けました。

――そのような想いが込められていたのですね。今後お菓子を販売する以外にやっていきたい、お客様と生産者の方の関係性を「紡ぐ」ための取り組みはありますか?

山下さん: 農家さんとの関係性を深めて、お菓子に使っているフルーツや野菜などの農産物全般をお店で販売していけたらなと考えています。

また、フルーツより野菜を育てている農家さんの方が割合としては多いので、野菜を使用したお食事系のマフィンを作ることで、より多くの農家さんを知ってもらうきっかけにしていきたいです。

――お店を通してお客様と農家さんの関係性が「紡」がれていきそうな取り組みですね。米粉を使うことでマフィンがどのような味や食感になるのかとても楽しみです。本日はありがとうございました。

atelier 紡
  • 住所:〒330-0846 埼玉県さいたま市大宮区大門3ー108
  • 営業時間:10:00ー18:00
  • 営業日:金・土
  • Instagram : @ateliertsumugi

〈インタビュアー・文・撮影:菊村夏水 / 企画・編集:青野祐治

daimon catalogダイモンカタログ

DAIMONがピックアップしたモノ、フード、体験などを
まとめているカタログです。