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自由で独自性のあるレディース古着を大宮で。『GROG GROG』が、コーディネートと大宮にスパイスを加えていく。

大宮
自由で独自性のあるレディース古着を大宮で。『GROG  GROG』が、コーディネートと大宮にスパイスを加えていく。

大宮駅東口から大宮氷川神社方面に歩いて徒歩5分、
古着屋が集積していることで知られる『一の宮通り』の入り口付近に店舗を構える『GROG GROG 大宮店』。

開店から20周年を迎え、16年前からは古着の聖地として知られる高円寺にも店舗を構えた。
自由で独自性のあるレディース古着や小物を中心に取り扱い、店内は連日多くの人で賑わっている。

その中心にいるのはエネルギッシュで誰からも愛される店主の田口怜さん。
洋服を見にくるのはもちろんのこと、彼女と話したいからくるお客様も多くいる

今回は田口さんに、古着屋が集積する一の宮通りにおいて独自の路線で存在感を放つ「GROG GROG」が始まった経緯や、田口さんがお店で働き始めた経緯を中心にお話を伺った。


女性の自由で独自性のあるファッションに惹かれ

――本日はよろしくお願いします。まずはレディース古着を中心に扱う古着屋「GROG GROG」が始まった経緯からお伺いできますか?

田口さん : オーナーは前職でも古着屋に勤めていて、店舗の一つが大宮にあったんです。そのご縁もあり、20年前の2004年に独立しすずらん通りとウエストサイドストリートの間に店舗を構えたのが「GROG GROG」の始まりです。

現在の一の宮通りに店舗を移転したのは開店から3年後の2007年のことで。
その1年後には高円寺にも店舗を構え、現在の2店舗体制になりました。

――『GROG GROG』は民族衣装のような柄やカラフルな色の服を多く取り扱っていて、古着屋が数多く立ち並ぶ大宮でもとても目立つ存在だなと感じています。そのような商品を扱うようになったのはなぜなのでしょうか?

田口さん : オーナーが学生時代、空前のヴィンテージブーム真っ只中で オーナー自身もアメカジにハマったそうなんです。

大学を卒業後、アメリカに留学して各地を旅する中で様々な国々の人に出会い、60〜70代のヒッピーカルチャーに興味を持つようになりました。
特に女性の自由で独自性のあるファッションに惹かれ帰国後、当時は国内でも数が少なかったレディース古着を扱っている古着屋に勤務。

自分自身で直接古着の買い付けをしに行きたいと思う気持ちが強くなった結果、独立して開いたのが現在の「GROG GROG 大宮店」です。

――60〜70代のヒッピーカルチャーの影響を強く受けていらっしゃるのですね。

田口さん : 買い付けの時はその影響をベースにしつつ、ビンテージ特有のその年代のストーリーがあったり、コーディネートのスパイスになるようなアイテムをピックアップしているそうです。

私自身、お客さんとして通っていた時に「GROG GROG」に行けば、ちょっとみんなとは違った可愛い服が購入できると感じていたんですよね。

現在のお客さんにも同じように感じてもらえたら嬉しいです。

――置いている古着や小物はもちろん、外観や内観も特徴的ですよね。

田口さん : 店舗設計においては、大宮の街に埋もれないように少し目立つこと、少し奇抜に見えることを心がけていまして。

――たしかに、一の宮通りの入り口に位置しているということもあり、一際目につく感じがあります。田口さんは、元々お客さんだったというお話がありましたが、いつから勤務されているのですか?

田口さん : 15年前の2009年頃からで、お客さんとしては高校生の頃から通っていました。

異世界とアットホームが両立する空間

――高校生から! 生まれや育ちはこの辺りなのですか?

田口さん :   はい、生まれは与野で育ちは日進のあたりなので、大宮は昔からすごく馴染みのあるエリアでしたね。古着に興味を持ち始めた高校生の頃から、一の宮通り付近によく来るようになりました。

――田口さんが学生の頃から、大宮には既に古着屋さんがたくさんあったのですか?

田口さん : ありましたよ!今よりは点在している感じでしたが。

徐々に一の宮通りを中心に集積していったように思いますね。
そのころは、よく友達と古着屋ツアーをしていて、都内のお店を回ってから必ず最後に大宮で締めるのが定番のコースでした。

都内の古着屋さんのも雰囲気も好奇心を刺激されて好きなのですが、少し私にはキラキラしすぎて疲れてしまうんですよね(笑)

――都内の古着屋のキラキラ感、なんだかわかる気がします(笑)

田口さん : 大宮の古着屋さんの落ち着いた雰囲気が私には合っている気がしましたし、都内から大宮に戻ってくると帰ってきたなー!という感じがするんですよね。

――初めて「GROG GROG 大宮店」を訪れた時はどんな印象でしたか?

田口さん : 異世界に来てしまったなーと感じましたね(笑)。

ですが、徐々に馴染んでくる感じがあって、通えば通うほどに品揃えが私の好みなことに気が付き始めました。店員さんもすごく気さくに接してくださるので、異世界だけどアットホーム感があって気付いたら通っていましたね。

――異世界だけど、アットホームというギャップ。なんだかとてもいいですね。お客さんとして通っていた立場から、働き始めたのはいつ頃なのですか?

田口さん : 大学を卒業した後です。大学では服飾系の学校に通っていて、周りはルミネに入っているような大手のアパレルブランドに就職する人が多かったのですが、そこで自分が働いているイメージが湧かなくて。

アパレルで働くなら古着屋さんだなと思い、『GROG GROG 大宮店』の店員さんに「働きたいのですが、面接してますか?」と聞きにいったら面接をしてもらえることになりまして。

――募集自体は?

田口さん : いえ、していなかったです。
断られる可能性とか、その時は考えてなくて。
若さですよね(笑)

似合う古着に出会える瞬間に、立ち会う喜びの虜に

――面接はいかがでしたか?

田口さん : 社長の松木との面接だったのですが、最初は「普通に会社員になった方がいいよ」と諭されて(笑)
でも折れずに熱意を伝えていたら「そこまで熱い気持ちがあるなら」と、雇ってもらえることになったんです。

――それまでにアパレルでのアルバイト経験は?

田口さん : いえ、なかったんですよね。なので、初めて買う側から売る側になったので少し不安はありました。
仕事自体も本当に初歩の初歩、服の畳み方から教わりましたね。

――働き始めてみていかがでしたか?

田口さん : 古着って一着一着、全部違うじゃないですか。

毎日様々な古着がたくさん見れて、それが純粋に楽しかったですね。
お客さんも気さくで優しい人がとっても多くて。

――売る側の立場も合っていたのですね。

田口さん : そうですね。
元々はお店に通っている側だったので、昔は古着を見て「可愛い!ちょう着たい!」と思うことが多かったのですが、働いているうちに考え方が変わってきまして。

今は可愛い古着を見れて、それを気に入ってくれる人に出会えることがすごく嬉しくて。

――「着たい!」から「着てもらいたい!」になっていったのですね。面白い心境の変化ですね。

田口さん : あと、古着って不思議なんですけど、似合う人が着ると服が輝いて見えることがあるんです。

その瞬間に立ち会えるのがやりがいの一つです。

――それは素敵な瞬間ですね。お客様に似合いそうだなと思う洋服をお勧めすることはあるのですか?

田口さん : あまりないですね。
私自身、オススメされるのがあまり得意ではなくて(笑)。

まず一点、お客様自身に気に入ったものを見つけてもらって、
そこに合うアイテムをお勧めすることはあるのですが。
基本的には自身で納得のいくまで、お気に入りの商品を探してもらいたいなと思っています。

――接客に関して、他に意識していることはありますか?

田口さん : お客様が店内に入ってきた時にニコッとしながら挨拶をするのですが、その時に目が合えば、そこまで声をかけなくとも大丈夫かなと思うところがあって(笑)。

お客様の雰囲気や様子に合わせて簡単に一声かけることもありますが、基本的にはお客さんのペースでお店でのひとときを過ごしてもらえたら嬉しいですね。

――その距離感が心地よいと感じる人も多そうですね。一方でお店の前を通ると、田口さんとお客さんが楽しそうに雑談している姿もよく拝見します。

田口さん : もちろん、洋服を見ることありきですが、単純に会いにきたりお話ししにきてくださる方もいらっしゃって。
私自身、人のお話を聞くのが好きなのですごく嬉しいですね。

実際に見て触れて着れて、服について直接話せる空間を大切にする

―― 田口さんに色々と話したくなる感じ、すごくわかります(笑)大宮や大宮のお客様に対しては、どのような印象を持っていますか。

田口さん : ありがとうございます(笑)
大宮のお客様はゆったりして落ち着いた雰囲気の方が多いですよね。こちらの方がいつも癒されています。

街に関しては面白いお店や美味しいお店が沢山あって、ぎゅっぎゅと魅力的なものが集まっているなと感じますね。古着でいえば、一の宮通り付近にレディース、ヨーロッパ系、アメカジとさまざまなジャンルが揃っていますし。

最近は地域イベントに出店する機会も増えてきて、顔見知り程度だった周辺のお店の人とつながる機会が増え、より大宮が好きになりましたね。
他の古着屋さんと、一緒にさまざまな取り組みをさせてもらう機会も増えてきました。

――第一回の『OMIYA DAIMON MARKET』にも出展してくださいましたよね。

田口さん : お店で営業しているだけだと、出会えないお客さんと出会う機会にもなっていて、すごくありがたいですね。

アウトドアやお祭りが好きなのでイベント自体の雰囲気も好きですし、どんどん開催してほしいです(笑)。

当日の様子

――承知しました(笑)お店として今後の展望はありますか?

田口さん : 古着もインターネットでの取引が主流となり、気軽に世界各国のビンテージ好きなお客様と繋がれるのは有難いなと感じています。
そんな時代でも実際に見て触れて着れて、服について直接話せる空間を継続していけるようにしていきたいなと思っていますね。

それと、昔からきてくださっているお客様を大切にしつつ、SNSやイベントを通して新たなお客様も増やしていけたらいいなと思っています。

――オンラインが発展し続けているからこそ、オフラインの場の重要性が上がっていきそうですよね。本日はありがとうございました!

GROG GROG 大宮店
  • 所在地:埼玉県さいたま市大宮区宮町2ー3ー1第2大矢部ビル1階
  • お問い合わせ先:048ー649ー5532もしくはインスタグラムより
  • 営業日時: 13:00〜20:00
  • 定休日:無(年末年始のみ)
  • SNS:@groggrog_omiya_vintage

〈インタビュアー・文・撮影:菊村夏水

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